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香炉屋日記290423

あれから、体調を崩して、店を閉めていた。

あの小学生の事が気になっていた。

納得できただろうか。

残していった香炉の灰からは、色々なことが分かった。

それについては別の機会に書こうと思う。

今日は日曜日。

久しぶりに朝から開店した。

向かいの神社の桜は緑になっている。

すぐに、あの小学生が、小鳥のように入ってきた。

またあの香炉を持っていて、もう一度「お母さんの声」を聞きたいと言った。

奥の香かふぇの椅子に座らせる。

「お母さんの匂いがするお香」があるけど、試してみるかいというと、うなずいた。

床に届かない足を揺らしている。

疑ったり信じたりする前の、遊びの気分なのだろう。

今日は匂いを聞きながら、この紙に、「おかあさん」と何度も書いてみよう。

きっといいことがあるよ。

持ってきた香炉に、「お母さんの匂いがするお香」を載せた。

店頭で、別の客の気配がした。

「香りは15分くらい続くから、一人でやっていて」と言って、紙と鉛筆を渡して、店に戻った。